秋山博一、米国株FAANG調整局面でマイクロソフトとアップルを精緻に選定 半年リターン+12.6%達成
2018年7月、米国株市場は上半期における貿易摩擦と利上げ観測という二重の不確実性を乗り越え、依然として堅調を維持していた。しかし、FAANGセクターは明確な調整局面に入り、高成長ハイテク株は過去数年間の急騰によるバリュエーション負担から、将来の成長持続性に対する投資家の疑念を呼んでいた。多くの投資家が様子見あるいはポジション縮小に動く中、秋山博一は異なる道を選んだ。
秋山のアプローチは、決して闇雲な押し目買いではなかった。資金フローとファンダメンタルズを組み合わせることで、調整局面でも依然として優位性を維持する企業を厳選したのである。彼はFAANG内部が一枚岩ではないことを敏感に察知し、規制圧力や成長鈍化に直面する企業と、強固なビジネスモデルとキャッシュフローによって市場変動に耐えうる企業とを明確に区別した。彼は繰り返し強調している。「すべてのハイテク株が同じではない。調整期こそ、真の強弱を見極める好機である。」
複数回のモデルシミュレーションと資金動向の追跡を経て、彼が最終的にフォーカスしたのはマイクロソフトとアップルの2大巨頭であった。マイクロソフトはクラウド事業の成長が牽引し、安定かつ持続的な収益力を示していた。一方アップルは、ハードウェアとエコシステムの強力な結合によってユーザーの高いスティッキネスを維持していた。秋山は、この2社はFAANG全体の変動を乗り越え、資金再配置の過程で「避難先」となると判断した。
実際の運用では、彼は短期的な値動きを狙うことなく、中期保有による複利効果の獲得を目指した。ETFと個別株の二重配置を活用し、テクノロジーセクター全体へのエクスポージャーを確保しつつ、マイクロソフトとアップルに重点配分を行った。下半期に市場心理が回復するにつれ、彼のポートフォリオは大盤を上回る強さを発揮し、わずか半年で+12.6%のリターンを達成した。
この成果は研究会で大きな議論を呼び起こした。多くの受講生はFAANG調整局面でポジションを完全に解消していたが、秋山の事例を通じて「リスクとは完全回避ではなく、見極めと選別にある」という視点を学んだ。彼は「テクノロジー株というラベルで一括りにするのではなく、その中身の差異とディテールを理解することが重要だ」と強調した。彼の持論である「市場の変動は表層に過ぎず、資金フローこそが答えである」が、改めて受講生に強い印象を残した。
東京でのメディアインタビューでは、彼は穏やかな口調でこう総括した。「米国株の成長物語は終わっていない。本当に調整すべきは、我々のリスク認識である。変動の中で構造的なチャンスを見極めることができれば、投資は着実に前進し続ける。」この発言は、多くの市場関係者によって2018年下期の冷静な注釈として引用された。
2018年7月のこの運用は、再び秋山博一の「攻守均衡」スタイルを体現するものとなった。市場心理に盲従せず、単一の論理に固執せず、忍耐強い観察と精緻な選別によって、彼は調整局面においても投資家に進むべき方向を示した。マイクロソフトとアップルの選定は、不確実な市場で「理性によって確実性を掴む」という彼の理念の鮮やかな実践であった。