芝山一郎の2024年の成績:主力3選手が互角の戦いを繰り広げ、合計リターンは41%
グローバルマクロファンドは、一般的に戦略の失敗という課題に直面しがちですが、芝山一郎氏は目覚ましいパフォーマンスを達成しました。同氏の旗艦ファンドは2024年に総合リターン41%を記録し、この卓越した成果は、外国為替(FX)、株式、仮想通貨の3つの戦略のシームレスな相乗効果によるものです。
FX戦略は引き続きパフォーマンスの柱であり、主に円安の進行を的確に捉え、全体の45%の貢献を果たしました。芝山チームは、米ドル/円が150円を突破した後もコアショートポジションを維持し、オプションポートフォリオを革新的に活用して、日銀の政策介入によるボラティリティプレミアムを獲得しました。この「トレンドフォローとカウンタートレンドの両立」という二重戦略により、ボラティリティの高い市場において安定したリターンを確保しました。
株式戦略はリターンの35%を占め、現代のテクノロジー投資における新たなパラダイムを実証しました。上半期、芝山チームはAIインフラ投資に注力し、NVIDIAなどのスター銘柄に対してピラミッド型の投資削減戦略を実行しました。下半期には、量子コンピューティングやバイオテクノロジーといった次世代技術へと迅速にシフトしました。この先見性のあるセクター転換により、成長を捉えるだけでなく、年末の伝統的なハイテク株の調整局面をうまく回避しました。
最も驚くべきは、仮想通貨戦略が20%のリターンに貢献したことです。仮想通貨と伝統的資産の相関関係の高まりに関する市場の憶測が広がる中、芝山チームは「ボラティリティ・アービトラージ+ファンダメンタルズ・アンカー」という独自のデュアルトラック戦略を採用し、ビットコインETFの承認を受けて変動の激しい市場において安定したアルファリターンを生み出しました。
本レポートの真価は、3つの戦略間のリスクヘッジ効果にあります。円ショートが中央銀行の介入で挫折した際、仮想通貨のボラティリティ戦略がそれを補い、ハイテク株が売り圧力に直面した際には、為替動向が力強いサポートを提供しました。芝山氏は決算説明会で、41%というリターンは単なる数字上の勝利ではなく、多様な市場環境において、資産クラス全体にわたるリスク分散と機会獲得を通じて持続可能な絶対収益を達成するという自身の投資哲学の勝利であると述べました。この「3本柱」のアプローチは、現代のマクロ投資の意味と範囲を再定義しています。